
皆様、こんにちは施設管理の細井でございます。
本日は、私の趣味の一つでございます「釣」で使用する竿について書かせていただきます。
釣と一口に申しましても「ルアーフィッシング」「フライフィッシング」「船釣」等々あります。数狙い、大きさ狙い、はたまた総量狙いと目的も様々あり、「海」「渓流」そして「湖沼」等の場所の違いもございます。
そして、昨今の釣りブームにより、各釣り具メーカーさんが開発する釣具は進化の一途をたどり、正に「ハイテク釣具」と呼ぶべき高性能を保持しておりまして、釣竿も目覚ましい進化を遂げてございます。
昨年購入しました私の渓流竿も、カーボン素材で竿長も7段階に変化可能な「文明の利器」と言える代物でございまして、住まいのございます湯河原の東側、真鶴寄りを流れます新崎川で、去年の今頃アマゴを釣り上げておりました。
そのような釣りも楽しいのですが、実は私、「和竿」に凝ってしまいまして、これまでに数本購入いたしました。
そもそも、集めだしたきっかけは、池波正太郎氏の作品中に竿について書かれた一節がありまして、興味を持ち自分なりに調べてみましたことがはじまりです。幕末の文化文政時代において釣竿に対し、その実用性以上に美術的な趣向を凝らし始めたようです。
その時代の好事家が、機能美以上の形式美を求め、最終的には様式美までをも構築したようでございます。
と、申しましても今のこの時代に竹製の竿なぞに興味を持つのは、私のような者だけだろうなどと思っておりましたが、実は、NHK制作の「美の壷」と言う番組で和竿を取り上げており、好評でしたのか再放送までもされておりました。
私も拝見いたしましたが、竿職人の方々は、伝統的技法のみならず、現代でも通用する実用性と共に、機能美から形式美そして様式美へと繋がる、素晴らしい物を作り出すために様々な研鑽と努力を重ね、独自の様式美を構築し、その技術を後世にと繋いでいこうとなされているそうです。
私の和竿は高級品ではございませんが、漆は暗単色ではなく装飾塗になっております。
このように、ワンポイントながら美術性を持たせているところに、日本の文化を感じさせられます。
そして穂先は、竹の細枝を一直線に伸ばしてあります。
現代の感度と強度を両立させたハイテク竿とは違う、アナログ竿です。
しかしながら、このような物でこそ可能となる、日がな一日のんびりと糸を垂らす、風雅な渓流釣りも良いのではと思っております。
早く、新型コロナウイルスが疫学的に駆逐され、人々の生活のもとにと安心と潤いが戻りまして、私も呑気に渓流釣りへと出かけられる日を待ち望んでおります。