スタッフがお届けする現地ブログ

静波海岸の記事一覧

2010/11/08

歴史と水の都 三島②

三島市は富士に近く、その伏流水が市内あちこちで湧き、国土交通省選定の「水の郷百選」に認定されていて、他にも水にまつわる呼び名が多くあります。又、毎年のように、三島の楽寿園の池に今年は水が湧いたとか、湧かないとかのニュースが新聞紙面を賑やかします。 この湧水を間近にご覧頂くには、三島市のすぐお隣の清水町に「柿田川湧水群」があります。 柿田川は全長が1,200m(日本最短の一級河川!!)と短い(その後は狩野川に合流。)のですが、その流れている水すべてが湧水であり、その湧水量はなんと1日100万t。 この柿田川湧水、交通量の多い国道1号線のすぐ脇にあり、一歩入るとそれが信じられないくらいの静寂となります。ちゃんと公園化されていて、駐車場もあり、 遊歩道や展望台も整備されています。 あちこちに湧き間という水が湧き出している所があり、2箇所ある展望台からもその湧き間を見る事が出来ます。 第一展望台からは、水底から砂を激しく吹きあげて水が湧き上がっている場所が何ヶ所か見え、その湧き出し口の周りの緑の水草、その一本一本全てが透けて見える程の透き通った水が流れている様子が見えます。 第二展望台からはあまり広い範囲は見えず、砂を吹きあげて湧き出している光景も見られないのですが、大きな筒状の青く澄み切った水の底から、水がゆっくりと湧き出している様子が見えます。 とても神秘的で、ずっと見ていると吸い込まれそうな印象を覚えてしまいそうです。 柿田川湧水の水は1年を通して15℃と水温が安定しており、ミネラルを多く含む軟水で日本名水百選に認定されているそうです。  駐車場の隣にはレストランや博物館、お店が集まっている所があり、そこには湧水を飲むことが出来る場所が何箇所かありました。 夕闇が迫りだした時間でしたが、タンクを持った人が何人も来ており、私も飲んでみると、やわらかで甘みを感じる美味しい水でした。 今回は時間も無かったので、駆け足に近い状態で周ってしまいましたが、もっと時間を掛けてのんびりと過ごしてみたい。狩野川との合流地点に行けるものなら行って明らかに異なる色の水が混じり合うという、その様子を見てみたいと思います。

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2010/11/05

歴史と水の都 三島①

先日、三島に行き、三島大社に参拝して、その帰り道に柿田川湧水群に寄って参りました。 三島大社と言えば、源頼朝が挙兵に当たり、三嶋大明神の加護と源氏の再興を祈願した神社であり、北条早雲の初夢の逸話もあるなど、歴史上のそうそうたる顔ぶれの逸話が残る神社です。 格式高くて近寄り難そうな印象を受けるのですが、次のような人間くさい逸話もあるそうです。 三島大社は、三宅島にあった社が伊豆各地を遷り、現在地に遷ったといわれているのですが、その場所に遷る前、そこには若宮八幡が鎮座していたそうです。ある時、三嶋大明神が「藁1束分だけの土地を譲って欲しい」と若宮八幡の神に頼み、「そのぐらいなら」と、了承されたそうです。すると、三嶋大明神はその持っていた藁の束を解いて一本に長く繋ぎ合わせて輪を作り、広大な敷地を我が物にしてしまったそうです。その後、若宮八幡は他の地に遷り祭られたのですが、その為か若宮八幡は、かつては三島大社に背を向けて建っていたという事です。(今は同じ南を向いているそうです。) 実際にあったらしい遷座のお話を、面白おかしく伝えた物なのでしょうが、昔のお話らしく、おおらかな感じで人間味があり、とても身近に感じます。 実際、境内に立って感じた様子も、街に溶けこんでいて、朝夕にはご近所の方が境内をお散歩してそう。そんな身近な印象を受ける神社でした。 何の知識も無いままの参拝でしたので、見落としてしまった所が多かったのですが、間近に見る事が出来た金木犀の古木はとても大きく、樹齢は1200年をかぞえるそうです。満開時には、その花の匂いは風向きによって10km先まで届くとも云われているそうです。(②に続く)

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2010/10/25

由比と美味しい桜えびと広重と由比正雪と・・・

市町村合併をして静岡市になりましたが、由比という町がございます。由比というと、まず思い浮かぶのが薩 峠からの景色です。 ここからの富士山や駿河湾の景色は、歌川広重の「東海道五拾三次」にも残されるほどの絶景です。由比は又、桜えびでも有名で、もうすぐ10月28日から桜えび漁が始まります。 由比には桜えびを使った料理のお店が多く、その料理も冷凍技術の発達により年間を通してお楽しみ頂けるのですが、この時期は特に新鮮な桜えびを使った生桜えびやかき揚げを始めとする料理をお楽しみ頂けます。 本格的なお食事処もいいのですが、由比漁港内にある、「浜のかきあげや」は、気軽にお立ち寄り頂けるかと思います。 (お休みの日もあるので、由比港漁業協同組合ホームページをご確認下さい。) http://www.jf-net.ne.jp/soyuikougyokyo/p_kakiageya.html 由比の桜えびというと、富士川の河川敷が一面ピンク色に見える程いっぱいに天日干しされた情景が思い浮かびます。この一面ピンクに染まった河川敷とここからの富士山の姿は季節の風物詩として親しまれているそうです。ただ残念なことに、先日由比港漁協に伺ってお聞きしたところ、秋漁では日照時間が短い為、この富士川河川敷での天日干しは行われておらず、春からの漁のみ行われるとの事でした。早い時期にはごく僅かにされているようですが、一面いっぱいになるほどではないそうです。(春だと1日で乾燥するのですが、この時期になってくると2日干さないと乾燥しないそうです。)素晴らしい景色なので、こちらは春にお越しになられた際には、ぜひご覧ください。 又、由比は日本橋から数えて16番目の宿場町でもあったのですが、その本陣跡の由比本陣公園内には現在、東海道広重美術館があり、歌川広重の作品を中心に1300余点の版画が収集され、展示されています。残念ながらそのすべてが常時展示されているのではありませんが、毎月展示替えが行われており、新しい視点で楽しめる様に工夫されています。その由比本陣公園のまん前には、江戸時代の慶安年間(1651年)に倒幕計画を遂行しようとした由比正雪の生家といわれる正雪紺屋があります。今でも染物屋が営まれており、手拭いやハンカチ、手作りのバックなどが販売されています。   由比はもともと小さな宿場町だったのですが、今でも町並みに名残を留めています。他にも色々と面白いお店や博物館もあるので、ゆっくりと散策されてはいかがでしょうか。

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2010/10/20

ふじさん

田子の浦ゆ うちいでてみれば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける (田子の浦を通って、やっと見晴しの良い地点に出て望み見ると、真っ白に雪が降り積もった富士山の美しさは何ということだ) 万葉集の、奈良時代に山部赤人が富士を雄大に詠い上げた句です。 ハーヴェストクラブ静波海岸へのお問い合わせで、お部屋から海が見えますか?とか、富士山は見えますか?とのご質問を頂く事がございます。残念ながら建物の前に防風林の松林がございますので、3階のお部屋からでも、松に遮られてほとんど海をご覧頂く事は出来ません。富士山も建物の向きの関係で、駐車場と非常階段3階の窓ぐらいからしか、ご覧頂く事が出来ません。 ただ、「静波海岸」は当館から歩いて数分の所にございます。これから冬に向かい乾燥した季節になると、お天気が良い日には海岸から海の風景とあわせた美しい富士山の景色をお楽しみ頂けける日が多くなります。又、由比から三島あたりまで足を伸ばされますと、雄大な富士山がご覧頂けます。以前、冬に富士市まで出掛けた折に、富士山を午後日が沈むまで、ぼ~っと眺めている機会があったのですが、雄大な富士の色が刻々と変わっていく様子には本当に感激を致しました。 ただ、雄大な富士といっても色々な景色があり、上記の山部赤人が田子の浦ゆ(田子の浦を通って)と詠った田子の浦も、富士のすぐ麓にある現在の田子の浦ではなく、『続日本紀』に「廬原郡多胡浦」と記されている辺りと考えられ、現在の静岡市清水区蒲原辺りであろうと云われています。 他の書にも「蒲原から江尻までみな田子の浦なり」という記載もあるそうなので、すぐ麓にある現在の田子の浦あたりから何度も見ていたであろう富士を見上げて惚れ直したという句ではなく、(富士からは少し離れてはいるけれど)進んでいるうちに、視界を遮っていた木々や山々が除かれて、ぱっと視界が開けた瞬間に見えた景色の、初めて見たに等しい富士山の雄大さ美しさの感激を詠ったものではないかと思います。 富士から少し離れますが、由比に薩埵峠という景勝地があり、ここから撮影された写真を一度はご覧になられた事がある方が多いのではないかと思います。 左に山(崖)、右に海。その間に国道1号線と東名高速道路がクロスしており、その奥、正面に富士山が写っているという写真で、歌川広重の「東海道五拾三次」の「由井」にも描かれている所です。 素晴らしい景観なので、富士のすぐ近くからの景色はもちろん、ここからの景色もご覧になられてみたら如何でしょうか。(奈良時代にはこの峠道は無かったそうなので、場所は異なるかも知れませんが)山部赤人と同じような感動を覚えられる事でしょう。 私も富士が良く見える時期になったら、ぜひ訪れたいと思います。

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2010/10/13

涼しくなって夢の吊橋

早朝の夢の吊橋を見たくて、また奥大井まで行って参りました。 前日のお昼前に家を出発して由比から三島まで足を延ばし、その帰りに静岡市街から井川に抜けて寸又峡に向かうというちょっとした強行軍の末に到着し、朝を待つことになりました。(わざわざ井川を迂回しないでも他に道はあるのですが。) 静岡市街からの山道は想っていたほど険しい道では無かったのですが、日が落ちていたので、すれ違った車は静岡市街から井川までが2台、井川から寸又峡までがダムの作業車らしき車が1台だけと非常に寂しい道でした。 その為か、井川に着いてダムの明かりを見ても車を降りようという気は起こらず、奥泉ダムのライトアップも横目に見ながら闇夜をひたすら爆走して、寸又峡まで一気に走りきってしました。 なんせ闇夜の怪走。道のすぐ横で滝らしき音が聞こえても姿は見えず、予想をしていた事とはいえ、何の感動も無くがっかりしていたところで車のライトに浮かび上がったのが、お尻をこちらに向けて振り返った鹿の姿でした。 子供の頃読んだ「小鹿物語」という本の中に主人公の少年が小鹿にフラッグ(小旗)と名付けたとありましたが、そのピン!と立ったしっぽはまさにフラッグ! それまでの憂鬱は吹き飛び、気分が一気に晴れました。 車を止めても驚かせてしまうだけなので、残念ながらそのまま往きすぎましたが、一瞬の感動は心に残り、非常に嬉しく思いました。 寸又峡に到着したのは22時前ぐらいだったと思いますが、街に全く人気を感じなかったので、町営駐車場に車を止め、朝を待つ事と致しました。 長い夜になりそうだと思いつつも、うとうとしてしまい、目を覚ますと、ちょうど周囲が明るくなりだした所でした。 最近はめっきりと涼しくなってしまったので、早朝でも川霧や霞のかかった景色は期待が出来ませんでしたが、秋の透明な空気が感じられたらいいなと、吊橋までの道を急ぎました。 この道はかつての森林鉄道の軌道敷跡を利用して整備された遊歩道で、途中にトイレが設けられていたりして、歩きやすく気が配られた道でした。 明るくなってみると背後の山から日が昇るまでの間は景色の変化もそれほどなさそうなので、先に飛龍橋まで向かいました。 高さが70mあるという、昔、森林鉄道のトロッコ列車が通っていた橋ですが、木々の繁った山を背景に谷間に架かった様子や、橋からの眺め、又、その途中の道から遠くに見える夢の吊橋はとても印象的でした。 そのまま飛龍橋を渡って進んでも吊橋へは行けるのですが、戻って大間ダムの横から吊橋への道を下る事にしました。 ようやく到着した夢の吊橋は、静寂の中濃い緑色の湖水にかかった橋で、これも又、とても印象的でした。 この湖水の色は、よくエメラルグリーンとか、刻々と色が変わると言われていますが、この時は陽射しが当たっていないせいもあり、翡翠色をしていました。 吊橋を渡るとすぐに急な坂となるのですが、その坂や橋、階段などに名前が付けてあり、中でも「やれやれどころ」と名付けられた所は、まさに言い得て妙。おそらくその場に立った多くの人が「やれやれ」と思われるのではないでしょうか。(なぜかは実際に行って、お感じになって下さい。) 坂を上って飛龍橋へ逆からたどったり、森林鉄道で使われていたトロッコ列車が飾ってある展望台へ行ったりしていると、ようやく太陽が顔を出したので吊橋まで戻りました。 湖面に日差しが達しだすと、日が差している所と差していない所のグリーンの色の違いのコントラストが非常に綺麗でした。 全体に日が差すまでずっといたかったのですが、お昼ぐらいまでに戻らねばならぬ用事があり、夢の吊橋を後にしました。 寸又峡からの帰り道は、普段の夕方の帰り道とは景色が変わって見え、あちこちで面白そうな場所やお店の発見があり、車を降りて歩き廻りたいという気持ちでうずうず致しましたが、断念をして車を進めました。 中でも「わさび大福」の看板には非常にときめき、食べてみたいという、いやしい気持ちがむくむくと湧きあがり、それを抑えるのが大変でした。 次回、紅葉とあわせて訪問するのに楽しみが出来ました。ぜひ、また訪れたいと思います。

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