東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯&VIALA/RESERVE京都東山

旅の魅力はいろいろあるが、移動時間そのものを
旅の醍醐味に変えられるのが観光特急。
その土地で育まれた風土や文化を感じながら
目的地への期待がさらにふくらむだろう。
今回の特集では、京都から古都・奈良や
世界遺産の地、吉野を訪れる際に
ぜひ利用したい観光特急を紹介。
移動時間を贅沢なひとときに変えてくれる
優雅な列車旅に出掛けよう。
My Harvest
奈良にかかる枕詞から名付けられた観光特急「あをによし」は、2022年に登場した大阪・奈良・京都の三都市を結ぶ観光特急だ。京都駅から近鉄奈良駅間では1日3往復が利用できる。
車両のコンセプトは、「古都・奈良」の歴史、文化を感じられる優雅なくつろぎ時間だ。天平時代において高貴な色とされていた紫色を外装に用い、エンブレムには吉兆の象徴である瑞鳥が花枝をくわえた姿があしらわれている。また、内装には正倉院の宝物をモチーフにした天平文様が施されており、奈良の歴史と文化を体感できる。座席は窓向きまたは対面式のツインシートと、3〜4人用のサロンシートの2タイプがある。
早速「あをによし」に乗り込んでみよう。京都を出発し、大きくカーブした先で右手に現れるのは、東寺の五重塔だ。京都市街を走り抜けて宇治川を渡ると、あたりは田園風景に。販売カウンターで購入した紫芋のモンブランとコーヒーを味わいながらゆったりと奈良に向かう。大和西大寺駅を過ぎると、まもなく平城宮跡歴史公園に差し掛かる。右手に平城京の朱雀門、左手に大極殿が見えてきたらいよいよ奈良に到着だ。思い思いに、世界遺産の社寺巡りや街歩きを愉しもう。
2016年に運行を開始した観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」は大阪阿部野橋駅と吉野駅を結ぶ観光特急だ。運行は1日2往復で、桜の名所・吉野山までの旅路に花を添えてくれる。
外装は上質感を醸し出す濃紺色のボディカラーとゴールドのエンブレム。ハイドンの交響曲が流れる車内には、家具調のデラックスシートが設えられている。ウッディな内装も相まって、重厚でクラシカルな雰囲気だ。
車両は3両編成で、1号車と3号車にはゆったりと座れる3列シートのほか、テーブル付きの2人用のツイン席と3~4人用のサロン席が用意されている。中央の2号車は誰でも利用できるラウンジ席だ。バーカウンターも設けられており、柿の葉寿司や吉野の地酒飲み比べセット、季節のケーキや西吉野の柿のスイーツなど地元の食が愉しめる。
列車は大阪阿部野橋駅を出発すると市街地を走り、古市駅を過ぎると車窓に里山や田園風景が現れる。吉野口駅からは山間を走り抜け、吉野川橋梁を渡るとまもなく終点の吉野駅に到着する。
ここから金峯山寺を訪れるのもおすすめだ。吉野山ロープウェイで吉野山駅に向かい、参道に連なるお店をながめながら、徒歩で黒門・仁王門を抜け、蔵王堂などを巡ってみては。春先には、花矢倉展望台から吉野山の桜を一望できる。霞のように広がる山桜はまさに絶景だ。
体験できる施設