東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALA/VIALA軽井沢Retreat/旧軽井沢・旧軽井沢アネックス
夏は避暑地として賑わいを見せる軽井沢。
それとは対照的に、冬の軽井沢は静謐な空気に包まれる。
この季節ならではの雰囲気を好んで冬の軽井沢を訪れる人も少なくない。
ウィンタースポーツやバードウォッチング、温泉などの愉しみ方があり、
これらのアクティビティも魅力の一つ。
さらに、そうした冬の愉しみ方に美術館巡りを加えてみてはいかがだろう。
実は、長野県は全国で最も美術館が多い地域であり、
特に軽井沢には個性豊かな美術館が揃っている。
今回はその中から、近年オープンした魅力的なアート空間を紹介したい。
これらの美術館は、移住者や別荘所有者が軽井沢を
アートやカルチャーの発信地にしたいという思いから開館したもの。
冬は感覚や感性が研ぎ澄まされる季節。
凛とした軽井沢の自然の中で、作品と向き合い、作者と語らうことは、
自身の内面を見つめ直すきっかけになるかもしれない。
My Harvest
雲場池にほど近い旧軽井沢の別荘地の一画、森に囲まれてひっそり佇む瀟洒な建物。ここはドイツ・ドレスデン出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒター(1932-)の作品を展示する美術館「リヒター・ラウム」だ。リヒターは雑誌や新聞を題材にしたフォト・ペインティングや色彩を幾重にも重ねたアブストラクト・ペインティングなど絵画の可能性を追求。90歳を超えたいまも人がものを見て認識するという原理に一貫して取り組み続けている。
「リヒター・ラウム」は30年に渡ってリヒターを日本に紹介してきたワコウ・ワークス・オブ・アートが2023年にオープン。建物はドイツ・ケルンのアトリエ・リヒターを再現しており、空気感や世界観まで伝わる。
必見は代表作の一つであるアブストラクト・ペインティングをデジタル処理した「ストリップ」や軽井沢の地のために制作された世界初の屋外彫刻作品「ストリップ・スカルプチャー・カルイザワ」など。入館は予約制なので心ゆくまで鑑賞できるのも魅力だ。
東急ハーヴェストクラブ旧軽井沢から通りを挟んで斜向かいに位置する「軽井沢安東美術館」。実業家の安東泰志氏と妻・恵氏が収集した画家の藤田嗣治(1886-1968)の作品を公開。嗣治の作品のみを展示した美術館は世界中を探してもここだけという大変貴重な施設となっている。藤田嗣治は、26歳で単身フランスに渡り独自の画風を確立してエコール・ド・パリの寵児となった画家。
「軽井沢安東美術館」における収蔵作品は200点を超えており、さらに資料なども含めると400点以上と充実したコレクションを誇る。嗣治がパリで名声を馳せるきっかけとなった「乳白色の下地」が独特の透明感を醸し出す裸婦作品をはじめ、安東夫妻が特に好んだ〝少女〟や〝猫〟などに注目したい。展示スペースは安東邸に招き入れられたような演出。教会をイメージした部屋、シャンデリアやソファを配した応接室のような部屋などに作品が並べられている。
作品鑑賞の合間には、フリードリンクを提供する「サロン ル ダミエ」で一休みできる。
東急ハーヴェストクラブ軽井沢&VIALAから車で約20分。2021年に開業した複合施設「MMoP」がある。施設の核となるのは、メルシャン軽井沢美術館の跡地にオープンした「御代田写真美術館」で、株式会社アマナが保有する日本人写真家の作品約1000点のコレクションから抜粋して無料公開している。また、毎年夏には浅間国際フォトフェスティバルの会場となる。この美術館は、写真文化に寄与したいとの思いで創ったそうだ。
敷地内にはこのほか、工芸作家や職人の作品に出合えるギャラリー、北欧ヴィンテージやオリジナル家具を揃えるインテリアショップ、デリ&ワインショップ、ガーデニングショップ、薪で焼き上げるステーキレストラン、朝食レストランなどが点在している。
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