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静波海岸

医王山薬王院油山寺

2010/12/13

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油山寺(ゆさんじ)は遠州三山のひとつで大宝元年(701年)に行基が開山した古刹です。

天平勝宝元年(749年)には、孝謙天皇が眼病平癒を願い、寺内の「るりの滝」の水で眼を洗浄したところ、全快したので勅願寺に定めたとされています。又、油山寺の守護神軍善坊大権現は足腰に利益あらたかである為、古くは東海道を旅する人の信仰を集めて今に続いており、油山寺は「目の み仏」「足腰の神」として多くの人が参拝に訪れています。

戦国時代の兵乱に遭い、源頼朝や今川義元によって建立された塔堂は残っていませんが、江戸時代初期から中期の建物が多くあります。山門は眼病平癒の御礼として明治の御維新の際、時の掛川城主、太田備中守より掛川城大手門を寄進移築された物で、国指定重要文化財となっています。(現在の掛川城大手門はこの門の復元。)この山門の他、本堂内厨子、三重塔(桃山時代の三名塔のひとつ)も国指定重要文化財に指定されています。その他にも県の指定文化財になっている建物がいくつかあり、書院は横須賀城にあった物を安政6年に藩主から寄進された物です。

境内を歩いていて、あちこちで目に付くのが、「世界一願いの叶う大念珠祭」の看板です。これは、以前境内にありながら台風で倒壊してしまった千年槇を材料にして作った、総丈120mの「世界一の大念珠」を使って3年に1度行われる大祭の事です。「世界一(願いの叶う)大念珠、祭」と「世界一願いの叶う、大念珠祭」が掛けてあるようで、洒落を感じて楽しく思います。

他にも国道から分かれてお寺に向かう道路の交差点には、ミニ三重塔がてっぺんにのった「国宝 油山寺」と書かれた大きな看板があるのですが、よく見ると「国宝」の国と宝の字の間に小さな之(の)の字が。おかげで以前、私は油山寺の三重塔は国宝だと、ず~と思っておりました。

10年ほど前に訪れた際には、ご住職らしき方が日も暮れかけて寒々とした中、屋根だけしかなく1人が座るのがやっとの様な小屋で、一人でお守りを頒布しておられました。私が、よたよたと薬師本堂への坂道を上っていると、そのご住職が一足飛びで階段を登って追い越して行かれて驚いていると、直後に鐘の音がして感激した覚えがあります。今回訪れると、その小屋が見当たらない上に、お札所はちゃんと別にあって、記憶に?なところがあったのですが、お札所に座っておられた方の内のお一人は、まさしく記憶と全く変わりの無いままのご住職でした。広い境内には手書きの案内板なども多くあり、あれほど由緒正しく大きなお寺なのに、身近に「人」を感じる事が出来るお寺でした。

又、帰り際に「るりの滝」を通り過ぎると、二人の行者の方が交互に滝の水に打たれて、一心に祈っておられました。「目の霊山」としての強い信仰は今でも続いているのだと思い、油山寺を後にしました。
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