スタッフがお届けする現地ブログ

旧軽井沢/旧軽井沢アネックス

軽井沢の歴史に触れた秋

2018/10/23

  • My Harvest

  • 0

  • 0

講演会のご案内

皆様こんにちは。
旧軽井沢フロントの小林正和です。

日本の台所の築地市場は83年の歴史に幕を下ろし、新たに豊洲市場がスタートした日本史上に残る今日この頃、いかがおすごしでしょうか。

私は、個人的に通っていた場内のお寿司屋さんが、どうなっているのか気が気ではありません。

さて、今回は軽井沢の深い歴史に触れたお話しを少し皆様にご紹介いたします。

10/7に、軽井沢で100年以上も営業を続け有形文化財に登録され、ハーヴェストクラブの歴史にも刻まれている「万平ホテル」で中森康之様の(豊橋技術科学大学教授・博士:文学)講演会と翌日に有形文化財の別荘の内覧会が開かれ、参加をさせていただきました。

タイトルは「旧ハミルトン&ハード軽井沢コテージ」有形文化財登録記念
「芭蕉の正統を継ぎしもの支考と美濃派の研究」(ぺりかん社)出版記念
中森康之 講演交流会
『軽井沢とヴォーリズ、芭蕉、支考、ジョンレノン』
〜日常によりそう本質へのまなざし〜
です。

私は軽井沢出身で、軽井沢の歴史は知っている方だと思っていましたが、この2日間のイベントに参加し、軽井沢の深い歴史を全く知らないに等しいと痛感いたしました。

先ず、タイトルを拝見した時にそれぞれの偉人の歴史を思い浮かべましたが、何も紐付かず思考停止。
考えるのをやめ、当日を楽しみにする事にしました。

台風25号が接近し、心配していた天気も秋晴れ。
いざ万平ホテルへ…
ホテルに着くと、出迎えてくれたのは200人を超える観光者と講演に駆けつけた人達。
足を踏み入れた瞬間から、歴史あるホテルに引き込まれました。
開始間際に駆けつけ会場に入ると(開始時間に全員が集まらないという『軽井沢時間』をふくみながら…)
中森様が喋り始めるタイミング。
100名様程の参加者がいる中、最前列に。

中森様は冒頭に「私は、哲学を専攻していた頃があり、完全に文学のみが専門という訳ではありません。ですから、タイトルの偉人に関する共通点を歴史・文学以外の観点からお話しすることに、何も違和感がありませんし、普通の教授の方は一人一人の研究結果を発表する事があると思いますが、時代がかけ離れたタイトルの偉人達に関しての共通点を論文にする方はまずいない。私だけでしょう」とおっしゃられ、講演が始まりました。

文学・歴史のみを専攻していると、タイトルの偉人方の共通点は見いだせず、そこに焦点を当てる人もいないであろう。また、哲学の視点から歴史を見たときに普通の論文では登場しない人物や事柄があり、中森様はその人物や事柄を紐解いていき芭蕉の弟子でクローズアップされていなかった支考にたどり着いた。支考は芭蕉の名を俳聖として広めた功績の一方で同門からは「俳魔」と非難を浴び、それが現在の支考評にも影を落としている。中森様は、芭蕉の思想を継承した正統たる支考の俳論を丹念に読み解き「思想としての俳諧」「俳諧の精神史」とも呼ぶべきその本質を明らかにされ「芭蕉の正統をひき継ぎしもの ~支考と美濃派の研究~」を執筆された著者。また、中森様の研究は①俳諧(特に芭蕉、支考、蝶夢の俳論)②建築思想(特にヴォーリズ、西村伊作)③武道(剛柔流空手道 8段 範士 、剛柔流古武道 皆伝 )④技術者教育(人間力、コミュニケーション力)が主で、
その視点から今回の4者の共通点を、私が思考停止した瞬間の続きから紐解き始めました。

内容は、深く濃くブログでは書ききれませんが4者の共通点は~日常によりそう本質へのまなざし~であり、また軽井沢で各々が過ごした時間にも共通点があり、中森様のお話に引き込まれました。今回は、2日間でしたが、約400年をタイムスリップするような内容でした。私が、物心ついた時はジョンレノン氏が活躍され、旧軽井沢銀座は原宿のような賑わいを見せていた時期で、軽井沢のお店や歯医者に至るまでビートルズの曲が流れていましたが、それ以前の軽井沢を共通点とした4者のお話に、改めて軽井沢の深い歴史と本質を感じました。
ジョンレノンは芭蕉の俳諧に心を打たれ、日本に深く心を寄せていたことや軽井沢に芭蕉の句碑があり 、その話しの後に参加者から追分宿に残る芭蕉の貴重なお話しを交流会を通してうかがったことなど、書ききれないことばかりです。興味がある方は小林にお声掛けください。うまく説明できるかわかりませんが講演会のお話をさせていただきます。


そして、2日目は軽井沢に別荘(設計者)を作ったW.M.ヴォーリズの手掛けた有形文化財を見学いたしました。この別荘は現代と同様で非公開で歴史上の研究対象にはなっていませんでした。軽井沢のとある別荘地にあった朽ち果てそうになっていた別荘を、現在所有している方が「建築手法がいかにも普通と違うのでは?」と調べたところ、日本の大丸百貨店心斎橋店や神戸女学院 図書館、ユニオン教会・テニスコートクラブハウス・軽井沢幼稚園(軽井沢)、など国内外に1,000棟以上の建物を設計したヴォーリズさんの設計である可能性があると思い、そのオーナーさんがヴォーリズ建築事務所にお話を持ちかけたところ、当時の図面が出てきました。そこでオーナーさんは、古き良き軽井沢の別荘の原点である「ヴォーリズの作品を現代に残したい」という思いから、ヴォーリズ建築事務所と修復の計画を立てることになったそうです。そして、修復に携わったのは軽井沢の歴史ある大工(代々諏訪神社やショー記念館・修復に携わる)の小林さん(小林工務店)がヴォーリズ建築事務所から依頼を受け、朽ち果てそうになっていた宣教師さんの別荘を10年以上の歳月をかけて修復されたそうです。
※ここが避暑地の原点ですとおっしゃっていました。
そして2015年11月27日、この建物が有形文化財に登録されたそうです。
私は、参加者と当時の歴代所有者の資料や修復の様子を見学しながら、当時の建物に触れたことで、一気にタイムスリップした感じになりました。
ヴォーリズさんの建築は形のデザイン的な見栄えよりも、使う人の身になって考え設計をされたと聞き、軽井沢でゆったりとした時間を過ごすための建物の中で、軽井沢の過ごし方の原点「日常から離れて、自然の中で自分を見つめ直し、自分を取り戻し、次のスタートを切る」軽井沢で各々の時間を過ごされた偉人(W.M.ヴォーリズ・ジョンレノン等)の方々の当時の過ごし方に触れ、凄く貴重な体験をさせていただきました。

今回の後援会に参加し、私が感じた参加された方の共通点は「古き良きものの本質を理解し、深く愛し現代に残すことに対し真剣に取り組まれている方々」ではないかと感じました。

私も、当館に訪れる皆様に軽井沢のおすすめスポットを多数紹介しておりますが、これからは本質に触れてからハーヴェストクラブでも古き良き軽井沢の過ごし方を少しでも伝えていければと思います。

長くなりましたが、この場を借りて今回の講演会でいろいろと教えてくださった方々に御礼を申し上げます。

【中森 康之様の著書】 
図書出版ぺりかん社 芭蕉の正統を継ぎもの~支考と美濃派の研究~
  • 中森康之様のご紹介

  • 万平ホテルのステンドグラス

  • 軽井沢の自然(2018.10.18)

  • お部屋で過ごす軽井沢の一時

  • My Harvest

  • 0

  • 0

この記事が楽しめるのは旧軽井沢/旧軽井沢アネックス

旧軽井沢/旧軽井沢アネックス

〒389-0102 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1178-493

週間人気記事ランキング

月間人気記事ランキング

施設一覧(ブログ数)